医療従事者に3回目のワクチン接種が12月から始まりました。
1年で3回の接種です。
どうして3回の接種が必要なのでしょうか、この先はどうなのか考察します。
ワクチンとは予めターゲットとなるウイルスや細菌を無毒化し接種しておくことにより、
これは異物だ、この異物が来たら次回から素早くやっつけよう!とリンパ球であるヘルパーT細胞が記憶します。この記憶が無い状態で罹患すると免疫をゼロから作り始めるのでやっつけるまでに時間がかかり、もしかしたらヒトは負けてしまうかもしれません。
ワクチンはそのための仕組みです。
ワクチンの1回目の接種によって、ゼロからの罹患になりTリンパ球がこいつは異物だ!と認識し、初期免疫であるIgMが産生されます。
ワクチン2回目にはT細胞がまた異物が来た!B細胞に抗体を作ってやっつけろと指令を出します。即時性免疫のIgGが産生されすぐに攻撃が始まります。
ではなぜ記憶しているのに3回目? これは記憶力の持続性にあります。1度かかったら2度とかからないような病気は終生免疫と呼ばれます。(流行性耳下腺炎、ジフテリア、百日風邪など)、その他、数年~数十年続くもの(麻疹やコレラ)、数カ月で消滅してしまうもの(インフルエンザ、ポリオ、破傷風、赤痢など)、全く記憶できないもの(ヘルペス、肺炎、化膿菌など)があり、インフルエンザワクチンを毎年接種しているのはこのためです。
では新型コロナはどうか。最新の研究では半年でほぼ半分以下の記憶力(抗体価)になってしまうようです。
横浜市立大学の研究グループが2021年11月5日に発表した報告では、接種1〜3週後(抗体ピーク時)と比べ、6か月後の抗体価は約90%減少、中和抗体価は約80%減少とされました。
(横浜市立大学先端医科学研究センター2021年11月5日報告より抜粋)
この報告から、新型コロナワクチンは数カ月で大幅に減少してしまうものの分類と思われ、抗体価を維持するためには3回目のワクチン接種が必要となります。今後、3回目の接種によってどのくらいの抗体価を維持できるかの研究が進むと思われ、4回目、5回目の接種が必要なのか、間隔はどの位が妥当なのかの報告が順次されると思われます。
ワクチン接種では副作用の問題は必ずあります。すでにみなさんは理解していると思いますが、これまでのようにニュースやネットの偏った情報操作に左右されず、自身で総合的に判断してください。
まずは体力を維持し免疫力を高めましょう!
今回のブログは2021年12月末の状況を基に投稿しております、今後新しい知見の報告により内容に齟齬が出るかもしれません、全く新しい未知のウイルスとワクチンの使用であり研究は順次進むので最新の正しい情報で判断ください。
公益社団法人 東京都臨床検査技師会
業務執行理事
副会長 杉岡 陽介
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